冬の青空   

一昨日はBU-DO-KAN。
要するに沢田研二の2012Liveツアーファイナルを見に行っていたのですね。はい。

今回は沢田さんのルーツであるバンドザ・タイガースの解散後40年と言う事で、当時のメンバーが俳優や元高校教師という肩書きではなく、一緒に沢田さんのツアーンメンバーとしてステージに参加するという企画でした。そして解散の日1月24日に解散した場所武道館でファイナルを迎えるという。バンドの完全reunionを望んだ沢田さんだったけど、諸状況から無理だろう。そう聞いていたので、病気で長期療養中の元メンバーがステージへ上がったのは、全くのサプライズ。かつてはワイドショーの司会なんかもしていた、岸部シローさんという人なんですけどね。精神的にも肉体的にも相当落ち込んでしまっていると聞いていたので名前が呼ばれた時には耳を疑ったけど、姿を見た時はもう一回唖然をしてしまって。あまりに弱々しく、儚い姿で兄の岸部一徳氏にささえられないと、ひとりで歩くことも出来ない。やっと中央の椅子に座って喋り出しても言葉が上手く出て来ない。優しくフォローする沢田さんと、それに答えて感謝の気持ちを精一杯言葉にしようとする岸部さんの姿は痛々しいばかり。なのに、なのにですよ。そんな人が一曲歌います。と言って歌い出したその声は、その見かけを考えれば奇跡のように美しく、しかも英語なんですよ。歩く事もままならず日本語すらすんなりと出て来ない人が、英語の歌を詰まる事なく、歌詞が聞き取れるほどちゃんと歌ったのです。ステージ上の人も会場もみんなぶっ飛んでしまって、すすり泣きが響くばかりでした。人というのはどんなに弱り切っている時でも、強い思いのある場所に気持ちが行くと思いもかけない力を甦らせるものだ、とはよく聞くけれどこんな形で偶然にもそれを目撃するとは思ってもいませんでした。あんなにも弱り切った人が、1万3000人の観客と関係者の心をわしづかみにして勇気と希望を与える事が出来るなんて!人間というのはなんて、美しく、強い生き物なんだろう。そう何度も心のなかでつぶやいてしまいました。岸部さん、あれだけでも相当なお疲れが出たと思います。どうぞ、ゆっくりと休んでください。そして、最後ひとりのメンバーも加えてのステージが実現する時、ぜひもう一度元気な姿を見せて欲しいです。

にしても。
両隣に座っていたオネーサマ方は開演の1時間も前から目が飛んじゃってて、40年前の事を昨日の事の様にしゃべりまくっていた。私は、幸か不幸か40年前に解散したバンドの事は全く知らない。(幸=そこまで「お年寄り」じゃない!不幸=沢田フリークを自認しながら「あのザ・タイガース」を知らない。)だから、下目使いで「あら、お若いのね!」ってオネーサマ方に言われたって ^_^; 何だって、この日もわたしを捕らえて離さなかったのは目の前に居た今の沢田研二の他ない。30年、40年ぶりに音楽をやるという昔の仲間を気遣いながらも、現役のトップヴォーカリストというプライドと今も変わらない彼の高いプロ意識は、決してステージを同窓会か発表会的お祭りにはさせなかった。彼の信頼する鉄人バンドと一緒にかつての名曲を懐メロオンパレードではなく、2012年の曲として見事に甦らせたのですよ。本当にこれは凄い事なのであって、売れていようがなかろうが、ずっと同じスタンスと高い意識で仕事し続けて来た沢田さんでなければ絶対に出来なかったことだと思ってます。どんだけ強靭的精神力の持ち主なんや、この人は!もちろん元センセも元カンボウチョーも凄くがんばったのだと思う。そのブランクの長さを考えればあり得ない程の健在ぶりでホント見ていて痛快、楽しくて仕方なかった。
b0131574_034728.jpgでもそれはきっと沢田さんの強いリーダーシップがあってこそ。そして彼らのがんばりもまた沢田さんを大いに刺激したのだと思う。昨夜わたしが目撃したのは、そんなその両方の思いが重なり合いクライマックスへと上り詰めたステージ。またしても超ラッキーな体験をさせてもらったわたくしは、ただただ感謝。

一夜明けて昨日。
きれいな冬の青空を見上げて、なんともいい気分。そして今頃心地よい疲労感を味わっているだろう、しあわせそうなおじさんたちの事が頭をよぎっていった。
だけど、沢田さんはちょっと休んだらすぐまた春先の音楽劇の準備に入るそうな。
も、どんだけ仕事すんねん!この方は。
と言いつつ、一刻も早く通常ライブの再開を。
vh-j
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by veggieheaven | 2012-01-26 01:01 | Life with Music

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